47 まさか俺 高血圧との 特定健診 コンビニの棚の そを買いに行く 朝寝 太郎
47 まさか俺 高血圧との 特定健診 コンビニの棚の そを買いに行く 朝寝 太郎
まさか俺 高血圧との 特定健診 コンビニの棚の そを買いに行く 朝寝 太郎
若い頃から朝がとても苦手で、低血圧気味であった。不定期だが運動も続けているし、肝臓こそはアルコール性肝炎の病名がつけられもするが、特に薬もなく、心臓も腎臓も悪くない。ところがところが、58歳の特定健診で高血圧の疑いで要精密検査との報告書。まさかの俺が高血圧。高血圧となれば、様々な血管系の疾患の原因でもあるので、健全な日本国民であるならば、降圧剤を飲まなければならない。でも本当に高血圧なのだろうか?その日だけ、一過性に高かったのではないか?運動を毎日したら下がるのではないか? などと、考え、仕事を休んでの内科受診日をいつにするかを考え出す。
さて、コンビニに買い物に行くと、特保と書かれた血圧を下げるお茶やヨーグルトなるものがある。以前は「内臓脂肪対策の特保は気にしていたが、高血圧など「そんなの関係ねえ」と思っていた。しかし、どうしても目が止まるようになってしまった。棚から手に取ってみるが、本当に効くのだろうか? 内科受診の前に飲むべきか、内科受診で精密検査をした後飲むべきか。迷いながら、味見をするためにと言い訳をしながら、何種か購入してしまったのである。
「特保買いに行く」ではなく「そを買いに行く」にしたのは石川啄木の「ふるさとの訛なつかし停車場の人ごみの中にそを聴きにゆく」 の本歌取りか? 何を買うのかわからないが、まさかコンビニで降圧剤を買うわけではなかろうから、多分高血圧の人用の何かであろう。コンビニで高血圧と来れば特保という連想を抱かなくてこの狂歌の良さがわからないが、この連想はボケ防止になるかも。そして、わざとわかりにくくした「そ」に寂しさと若干の期待が表現されている点も、評価できる。
この短歌にあうイラスト募集しています。詳しくは、miwashiro@mx2.wt.tiki.ne.jp (岩城まで)
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