24 パーキンソン 思いはとてもあるものの 動かぬ体は 体の痴呆か
24 パーキンソン 思いはとてもあるものの 動かぬ体は 体の痴呆か
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パーキンソン 思いはとてもあるものの 動かぬ体は 体の痴呆か
肩 丸子
<解説>
作者は、アメリカの神経科医オリバー・サックスの本で、神経病の奥深さを学び、サックス氏の小説の中の「レナードの朝」で取り上げられた、パーキンソン病という病気に興味を持った歯科医師。残念な事に、自らがその病気にかかってしまった。
小説を読んだときには、「へー」とだけしか思わなかったが、大学から民間病院(T病院)に赴任して、神経病患者の歯科治療をするようになってから、特にパーキンソン病に興味を抱いていたそうだ。
そのT病院では、神経内科の大学院生のバイト女医に、パーキンソン病の話を聞いて、なぜか盛り上がり、神経疾患について、公私混同で、いろいろおしえてもらったそうだが、そんなことは、ここでは関係ない。
パーキンソン病では、運動神経が支配する患者の動きはとことん鈍くなるが、そうでない思考の神経自体はあまり鈍くならず、あんなにゆっくりしか動けない事に、むしろいらいらしているという話を、神経内科の女医から聞いたとのことである。
確かに、パーキンソンに使うドーパミンにはLードーパとD-ドーパの異性体があり、その作用は全く違うのだから、結構科学的には興味深い疾患である。確か、Dードーパは役にたたないのだったかな。
現在、私は何人かのパーキンソン病の患者を、歯科治療患者としてかかえており、ドーパをはじめとし、その後開発された薬の進歩を喜ばしく思っている。
それらの薬がなくては、歯科治療にならないからだ。