44 痛いとこ 動くと腰で 食べると歯 歩くと膝で 思うと心 伊丹 輝良
44 痛いとこ 動くと腰で 食べると歯 歩くと膝で 思うと心 伊丹 輝良
痛いとこ 動くと腰で 食べると歯 歩くと膝で 思うと心
伊丹 輝良
年が寄るとあちこちが痛くなる。まさにこの詠の通り。しかし、人によっては、痛む部位にバリエーションがある。
各人が行為と部位を書き換えて、自分の困っているところを公式に、いや口式に発表しよう。
字余り、字足らずになることなんか、気にしてはならない。それで、周囲の人に「そだねー」と言ってもらって、「共感」からの鎮痛作用を期待した、痛みを止める方法もあろうかと思う。
きっと病院の待合室などは、歌会の良き場となりうる。韻を踏んだりして、うまくできれば、新聞に投稿するのもまた励みとなる。採択されれば、その喜びで、またやりたくなるような、麻薬作用のような鎮痛効果もあろうというものだ。
ところで、歌会?以外の痛みへの対策は、人それぞれだ。健康食品にビタミン剤、膏薬にシップ、リハビリにマッサージ、痛み止めに胃薬もあろう。痛みを止めるためにあらゆることを試して駄目であれば、手術もあり。それでも駄目なら、何もできない頼りない主治医に、聞いてもらうだけでも痛みが和らぐというのだから、やはり様々だ。
されど、最後の7音節にある「心の痛み」は、それらではなかなか解決できない。
となれば、やっぱり、同じ痛み仲間の前で、心の伊丹も含めて、痛いところを口にしよう。共感こそが、最高の癒しとなる。
伊丹 tell good だ。
これって「笠置百人一首」の基本精神でもある。
この短歌にあうイラスト募集しています。詳しくは、miwashiro@mx2.wt.tiki.ne.jp (岩城まで)
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