新型コロナウイルスに関してのワクチンは誰に投与すべきか? その①
新型コロナウイルスに関してのワクチンは誰に投与すべきか? その①
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新型コロナウイルスに関してのワクチンは誰に投与すべきか? その①
武漢肺炎ウイルスとか中国共産党ウイルスとまで呼ばれているCOVID-19に対してのワクチン開発が盛んに記事になっている。
あるウイルスのワクチン開発には従事したこともあるので、無駄話をしたい。
まず、天然痘のワクチンを開発したジェンナーの歴史をする。
彼は、豚の天然痘ウイルスがあると思われるものを自分の息子に投与し、失敗した。 つまり息子は(ワクチン)接種したにも関わらず天然痘に感染した。
その後、牛の天然痘ウイルスがあると思われる、牛の乳搾り女の手の甲にできたできものからの膿を近くの農夫の息子のフィリップに接種し、後実験的に人の天然痘を感染させた。しかし感染しなかった。つまり成功した。
これを彼は論文にした。
豚由来ではうまくいかず牛由来でうまくいったという意味で、牛のウイルスという意味で、ワクシニア ウイルスと名付けた。
そしてワクシニアウイルスを接種することをワクチンというようになった。
これが予防接種=ワクチンの基になった。なんのことはない。ワクチンというのは「牛からの」という意味だ。
その後、いろいろな感染症と思われる病気で予防接種源、つまりがワクチンの開発が始まった。
でもワクチンの開発には、亡くなった人も数えることができるぐらいと信じたいが、結構いるということを忘れてはならない。
私が留学してたロッキーマウンテン研究所は、アメリカではマウンテンタイム域にある、山の中の人口7000人くらいのHamilton という小さな田舎町にある国立の医学研究所である。またなんでこんな片田舎に米国国立の研究所があるかというと、以下の通りである。
かつて、1800年代だと思うが、ゴールドラッシュでアメリカ東部から西武へ、砂金を求めて人が渡ってきた。つまりがロッキー山脈を越えてきたのだ。まあ、西部劇を見たことのある人はなんとなくイメージが沸くと思うが、それはそれは大変である。
その道は遠く険しく、野獣やサソリにやられた人もいただろうが、ロッキー山脈を越そうとした時、自然にやられた災害のトップは、狼や熊やマウンテンライオンによる咬傷や外傷ではなく、肌に赤いぶつぶつができて高熱を発して最後に死んでしまうという感染症だった。
その名も、ロッキーマウンテンスポットフィーバーという。日本で言えば恙虫病に相当する、ダニが媒介しリケッチアという細菌が起こす病気だった。
私が留学した研究所の起源は、その病気研究のために作られた研究所だ。由緒ある証拠かどうかはわからないが、当時に、ハーバード大学から野口英世も来て滞在し研究したとの記録もある。
今の研究所はそこから少しだけ離れていて、ロッキーマウンテンスポットフィーバーを研究する人はごく少数で、エボラ出血熱などのP4研究施設がメインとなっているが、記念として昔の研究所の建物は残されて、博物館になっている。その博物館で、そこの窓口にいた老人から聞いた話である。
当時「どうもダニがこの病気(ロッキーマウンテンスポットフィーバー)の原因ではないか」と考えられた。「ダニが原因なら、ダニを殺して、すりつぶして、ジェンなーがやったように、小さい切り込みをつけてそこに、接種したら、免疫ができるのではないか?」と考えられて、実際に行った。
だが結果は、免疫が作られる前に死亡することとなった。つまりはダニからのリケッチアで感染して発症して死んだのだろう。弱毒化や死菌化できなかったのだと思う。
悲しいことに対象者は子供だった。
とても悲しいことだが事実である。
インパクトが強烈で、今でも多くのシワを持ったその老人からの語りを思い出すことができる。
医学の発展の踏み台にされた人達もいることを忘れてはいけないと、ワクチン騒動があるたびに、シワ深い老人を思い出す。
思い出話はともあれ、その後ロッキーマウンテンスポットフィーバーに関してはワクチン開発の前に、有効な抗生剤が開発されたので、今は治る病気になった。
感染者はまだ、時々いて死者も出ることもあるが、抗生剤のおかげで、死者は少ない。
年によっては、ダニ注意報が出る。そんな地域柄である。
こんな負のワクチン開発歴史もある。
次回は、ワクチンの種類についてでも語ろうと思う。
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