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54 なにがええ サプリメントの 宣伝に 身を尽くしてや 問いわたるべき        逢坂門別答

54 なにがええ サプリメントの 宣伝に 身を尽くしてや 問いわたるべき        逢坂門別答

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なにがええ サプリメントの 宣伝に 身を尽くしてや 問いわたるべき 

 薬ではないが、補足的薬というか補足的食料というか、自然界の何がしか、場合によっては特にレアな植物などから成分を抽出し濃縮した粒状や粉状物、はたまた液体物を、「サプリメント」と呼んでいるようだ。サプリメントには、抽出物だけでなく、化学合成によって作られたアミノ酸やビタミンやミネラルなども含まれよう。これらの口から取り入れる物質の中で、「食べ物」といえるほど美味しくはなく「腹の足し」になる物ものでないこと、かつ、「薬」というにはその効果が統計学上疑問視されながらも、一部の人は「効果がある」と信じている、あるいは騙されているともいえるべき物を「サプリメント」と呼ぶと、勝手に解釈している。

このようなサプリメントの概念は、いわゆる漢方薬などの民間療法から発達し、薬的成分や薬効は「弱い」か、あるいは、「どうかな」と思われながらも、その薬効を支持する提供者や消費者がいるという、ある面宗教的な「信じるものは救われる」というような考え方から成立している。
なぜなら、漢方薬で本当に効果があるもであれば、とっくの昔に薬になっているからである。

例えば、筆者は熊の胆(くまのい)と言われた黒い小さな苦い板ガムのようなものを、お腹が痛い時飲まされた。その効果はよくわからなかったが、歯科医師になって、丹後ふるさと病院に赴任した時、森副院長から、「熊の胆からウルソという、胆汁の分泌を促す薬ができた」と聞かされた。

このような、経験的、帰納的薬のでき方は、過去の使用者を尊敬しながらできているので、いわば、私のお袋のような、使用者にも誇りとなる。

という感じで、過去の使用者のプライドをくすぐるような薬は嬉しいし、ちょっと変わったけどまた使おうという気持ちになる。

最近はそれに、分析能力や、「初回無料」などの広告テクニックも加わり、あふれんばかりのサプリメント市場である。

こう述べている私も、いろいろ試したが長続きはしていない。しかし、現状を説明すると、ビタミンB製剤とサントリーのロコモアは今の所飲んでいるが、まさに「身を尽くしてや」の気分である。

難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ 身を尽くしてや恋ひわたるべき 皇嘉門院別当  からの本歌取りであるとわかる人は、きっと古典の成績が良かったと思う。

この短歌にあうイラスト募集しています。詳しくは、miwashiro@mx2.wt.tiki.ne.jp (岩城まで)

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