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60 君が齢 とどめかねたる 早川の 水の流れも うらめしきかな 

60 君が齢 とどめかねたる 早川の 水の流れも うらめしきかな 

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君が齢 とどめかねたる 早川の 水の流れも うらめしきかな    天璋院篤姫

 笠置百人一首は基本的にはオリジナルの新作であるが、これだけは古典から選ばせてもらいたいと思っている。他の選者がどう思うかによって今後の展開があるが、とりあえずは、推した作品。

 これは、13代徳川将軍家定の正室天璋院篤姫の歌。

 「早川は、まるであなたの命をとどめてくれないように、速く流れてしまっています。その水の流れを見るにつけ、あなたの早く行ってしまった運命が無念でたまりません。」という意味の歌。齢(「よわい」と発音するが、それは「弱い」に繋がる)と言う漢字を使うことにより、若くして亡くなったことを表したいのだと思う。

 篤姫は14代将軍家茂の養母。家茂は和宮と結婚したが、数年で病に伏せ21歳の若さで死去した。和宮も箱根で療養中の時、篤姫はその見合いに行くが、間に合わず、31歳で亡くなった。直接の血のつながりはないが、子供も子供の嫁も早くして亡くなり、とても悲しくなり、川の水の流れを見ては、その速さですら、早く行ってしまった子供たちを思い出させ、恨めしく思う気持ちを詠ったのである。

 選者には、そんな気持ちになったことが一度ある。

 選者の長男の笠置小学校の同級生で、白血病で亡くなっ女の子がいた。色白で可愛い顔で、お母さんの顔立ちから、きっと美人になるだろうと私は思っていたが、最近顔を見ないなと思っていた。そしてしばらくして、「お父さん、白血病って、どんな病気?」と息子が聞いてきた。「血液の癌だよ」というと、「癌てどんな病気?」て聞き直すので、「自分の細胞が勝手に増えるんだ。しかも不規則に増えるから、体がその細胞に負けちゃうんだけど、どうしてそんなこと聞くの」と聞いたら、「⚪︎⚪︎ちゃんが、白血病で入院するため転校したんだ。」と寂しそうに言っていた。親の好みに似て、多分その子が好きだったんだろうと思う。

 それから半年ほど経って、ある患者さんのところへ往診に行くと、その患者さんはたまたま⚪︎⚪︎ちゃんのひいおばあちゃんだった。ひいおばあちゃんは寝たきりだったが、その娘のおばあちゃんが相手してくれて、⚪︎⚪︎ちゃんは可愛かった話などしたが、急に寂しそうな顔をして、「白血病で死んだわ」と、ぽつりと話した。

 その話を、家に持ち帰り、息子にすると、黙って寂しそうに涙を流していた。そのときの息子の気持ちを読んで、覚えていた上記の本歌取りで、ふと「君が命 とどめかねたる 木津川の 水の流れも うらめしきかな」と心の中で詠ってみたことがある。「齢」は子供にはむづかしいいだろうから「命」。「木津川」は笠置町に流れる川として入れ込んだ。

 でも、子を思う親心には叶わないと、この歌のみは、新作でなく古典から選ばせてもらいたいと思う。

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